ホップの苦み成分が認知機能を改善
キリン株式会社(以下、キリン)の健康技術研究所は、11月24日、東京大学と学習院大学と共同で、ビールの原料であるホップの苦み成分のイソアルファ酸が、アルツハイマー病発症時の低下した認知機能を改善することを世界で初めて解明したことを発表した。
キリンは、適量の酒類の接種が、認知症の予防になるという報告があることから、認知機能が低下したアルツハイマー病モデルのマウスに、イソアルファ酸を7日間経口投与し、記憶に重要な役割を持つ海馬の状態を測定する実験を実施。
アルツハイマー病発症群の海馬には、海馬の活動異常が認められているが、イソアルファ酸投与後にマンガンMRI測定を行ったところ、活動異常が改善されていることが確認できたという。
また、アルツハイマー病の原因と言われているベータアミロイドの量と、海馬の炎症物質も測定。その結果、ベータアミロイドの量は低下、海馬の炎症も緩和されていることが認められた。
「第36回日本認知症学会学術集会」で、発表
キリンはこのことから、イソアルファ酸が短期的な投与で脳内炎症を緩和、また、海馬の活動を改善することで、認知機能を改善する機序を解明できたとしている。
ホップは、ビールの原料の他、1000年以上前から薬用植物としても知られている。
キリンはこの結果を11月24日から開催される「第36回日本認知症学会学術集会」で、発表する予定。
(画像はプレスリリースより)

キリン株式会社 ニュースリリース
http://www.kirin.co.jp/company/news/2017/1124_02.html