血友病A患者への週1回予防投与療法に対して承認取得
中外製薬株式会社は11月17日、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A患者への週1回皮下投与による予防投与療法に対し、バイスペシフィック抗体エミシズマブ(米国製品名:HEMLIBRA)が米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得した、と発表した。
血友病Aは、血液凝固因子のうち第VIII因子の欠損あるいは活性低下による「先天性血液凝固第VIII因子欠乏症」である。
成人患者で出血頻度が87%減少、小児患者で87%の出血ゼロを達成
中外製薬は、ロシュ社とロシュ・グループのジェネンテック社と共同で、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する血友病A患者を対象に第III相国際共同治験HAVEN1(NCT02622321)と第III相国際共同治験HAVEN2(NCT02795767)を実施した。
HAVEN1試験では、青年期および成人の患者を対象に、HEMLIBRA定期投与群と定期投与非実施群を比較し、主要評価項目である治療を要した出血頻度が87%減少したことを確認した。
HAVEN2試験では、小児患者を対象に実施し、HEMLIBRA定期投与群で87%の出血ゼロを達成した。
なお、副作用は、両試験において、HEMLIBRAの定期投与を受けた10%超えの患者に、注射部位反応、頭痛、関節痛の発現が認められた、とのこと。
これらの中間解析結果に基づき、ジェネンテック社がFDAへ承認申請を行い、世界で初めてエミシズマブの承認を取得した。
HEMLIBRAは、HAVEN1およびHAVEN2試験成績を基に、2017年6月欧州医薬品庁へ承認申請済みで、日本でも2017年7月厚生労働省へ承認申請を行った、とのこと。
(画像は中外製薬株式会社のHPより)

中外製薬株式会社のニュースリリース
https://www.chugai-pharm.co.jp/