メディシノバ社が発表
メディシノバ社は、11月10日、「メタンフェタミン(覚醒剤)」依存患者を対象に「MN-166(イブジラスト)」の効果を評価するバイオマーカー臨床治験を開始したと発表した。
同試験は、オレゴン保健科学大学メタンフェタミン濫用研究所・ホフマン博士らが実施するもの。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された患者のみならず、PTSDを認めない患者においても、同剤の治療効果が評価される。
喘息および脳梗塞発作後症状の治療薬「MN-166」
「MN-166」は、日本と韓国においては喘息および脳梗塞発作後の症状の治療薬として、1989年より使用されている薬剤。メディシノバ社は同剤について、進行型多発性硬化症およびALS、また薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応として、新薬開発を行っている。
同剤は、グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和する作用を持つ。前臨床研究および臨床研究においても、抗神経炎症作用および神経保護作用を有することが確認された。これらの作用が、神経変性疾患・各種依存症・慢性神経因性疼痛などに対して同剤が発揮する治療効果の根拠と考えられている。
依存症患者28名が対象
今回開始されるバイオマーカー臨床治験は、単一施設・プラセボ対照・無作為二重盲検パイロット臨床治験。対象は、現在リハビリテーション施設に入院中で覚醒剤離脱中の「メタンフェタミン」依存症患者28名を予定している。既にFDAの許可を受けており、ポートランド在郷軍人病院およびオレゴン保健科学大学においてホフマン博士が治験を行う。
なおメディシノバ社は同試験において、同剤およびプラセボの提供、薬事サポート、科学的およびデータ分析的な支援を提供するという。
(画像はメディシノバ社の公式ホームページより)

MN-166の覚醒剤依存患者を対象とするバイオマーカー臨床治験開始のお知らせ - メディシノバ社
http://www.medicinova.jp/pdf/irnews/11102017_1.pdf