発症メカニズムの解明が期待できる成果
愛知県がんセンターは、10月24日、乳がんの予防に繋がる遺伝子領域を発見したと発表した。
この発見は、ケンブリッジ大学など海外の研究機関と共同で大規模な遺伝子疫学研究を実施した結果、実現したもの。乳がん発症のメカニズムの解明などに繋がることが期待できる成果だという。
乳がんのリスクが高い女性を予測
乳がんは、日本では女性の12人に1人が罹患するともいわれる疾患。しかも、罹患する人は年々増加しているため、その予防は日本人にとっても重大な課題となっている。
愛知県がんセンターが今回行った研究では、全世界で27万人を超える人を対象として、乳がんに関る遺伝子多型を探す全ゲノム関連解析研究を実施。結果、乳がんリスクに関る遺伝子多型が集まった領域を、新たに72か所発見した。
そして、この遺伝子領域に存在する遺伝子多型の情報と、これまでに見つかっていた遺伝子多型の情報を組み合わせると、特に乳がんのリスクが高い女性を予測できることがわかったという。
将来の研究ターゲットを見つけることができた
今回の発見は、「乳がん検診を何歳から始めるか」「どういった頻度を用いるか」「どの検査法を用いるか」といったことを遺伝子多型で分類し、乳がん検診をより効率化することが可能であることを示唆するものであると、愛知県がんセンターはする。
加えて同センターは、新たに見つかった遺伝子領域から、乳がん発症に繋がる将来の研究ターゲットを見つけることができたともしている。
(画像は愛知県がんセンターの公式ホームページより)

大規模国際共同疫学研究により乳がんリスクに関連する遺伝子を多数発見 - 愛知県がんセンター
http://www.pref.aichi.jp/