腎性貧血を適応症とする経口剤について
日本たばこ産業株式会社(以下「JT」)と鳥居薬品株式会社は、10月26日、HIF-PH阻害薬「JTZ-951」の日本国内における共同開発および販売に関する契約を締結したと発表した。
「JTZ-951」は、JTが創製し、日本国内での臨床開発を実施している薬剤。今回締結された契約は、「JTZ-951」の腎性貧血を適応症とする経口剤についてのもの。
慢性腎臓病患者における合併症のひとつ、腎性貧血
腎性貧血は、慢性腎臓病患者における合併症のひとつ。腎機能障害に伴い腎臓でのエリスロポエチン産生能力が低下することが、その主たる要因と考えられている。腎性貧血による赤血球数の減少は、酸素供給不足を招き、臓器でのエネルギー産生も低下させる。結果として、日常生活における運動能や活動性の低下も生じる。
「JTZ-951」は、低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素含有タンパク質(HIF-PHD)を阻害する薬剤。この阻害により低酸素誘導因子(HIF)を安定化し、内因性のエリスロポエチン産生を亢進させる。また、鉄代謝分子の発現も制御し、赤血球の産生向上および貧血状態の改善が期待されている。
国内での早期上市を目指す
「JTZ-951」は現在、日本において腎性貧血患者を対象とする第2相臨床試験が実施されている。今回締結された契約により、日本国内においては今後、JTおよび鳥居薬品が共同で開発を行うこととなった。
鳥居薬品は、腎・透析領域における豊富な経験を持つ。この経験を活かし、JTグループは「JTZ-951」の国内での早期上市を目指すとしている。
(画像はJTの公式ホームページより)

HIF-PH阻害薬の日本国内における共同開発及び販売に関する契約締結について - 日本たばこ産業株式会社
https://www.jti.co.jp/