判断は2018年下半期までになされる予定
アストラゼネカ株式会社は、10月23日、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんを予定効能・効果とする「オラパリブ」の医薬品製造販売承認申請を、日本において行ったと発表した。
この発表は、同日に英国アストラゼネカ社および米国メルク社によって発表されたプレスリリースを翻訳したもの。申請は日本のアストラゼネカが行い、承認についての判断は2018年下半期までになされる予定。
がん細胞に対し特異的に作用し、細胞死へ誘導する
「オラパリブ」は、ファースト・イン・クラスの経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤。DNA損傷応答(DDR)経路に異常を来したがん細胞に対し特異的に作用し、細胞死へ誘導する作用を持つ。
同剤によって誘発された細胞毒性は、PARP酵素活性およびPARP-DNA形成増加に関与。その結果として、DNA損傷およびがん細胞死を引き起こす可能性が示されている。
がん細胞のDNA損傷応答(DDR)メカニズムを標的とするアストラゼネカのポートフォリオにおいて、同剤は基盤となる薬剤と考えられている。
「OlympiAD」の良好な結果に基づき申請
今回日本において行われた申請は、国際共同第3相試験「OlympiAD」の良好な結果に基づくもの。同試験では、302例の生殖細胞系列BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移乳がん患者を対象として、「オラパリブ」の有効性および安全性が検証されている。
同剤の日本における承認申請は、卵巣がんを対象とする申請に続き今回が2件目となる。卵巣がんを対象とする申請は、現在審査中であり、承認についての判断は2018年上半期までになされる予定。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

日本において2件目のオラパリブの医薬品製造販売承認を申請 - アストラゼネカ株式会社
https://www.astrazeneca.co.jp/