磁気刺激により脳内を活性化
帝人ファーマ株式会社は、10月16日、ニューロネティクス社よりうつ病の治療装置「NeuroStar」の日本における独占販売権を取得したと発表した。
ニューロネティクス社は、米国の医療機器メーカー。同装置は、磁気刺激により脳内を活性化させ、うつ症状の軽減や消失をもたらすというもの。
社会的・経済的な損失が大きいうつ病
うつ病は、患者本人や家族に対する社会的・経済的な損失が大きく、また自殺との関連性も高いとされている疾患。厚生労働省の調査などによると、国内のうつ病患者数は受診者で約73万人存在し、未受診の潜在患者を含めるとその数は約250万人以上に達するとされる。
うつ病患者は、そのおよそ3割が通常の抗うつ剤では症状が改善されにくいうつ病であると言われている。抗うつ剤治療では効果が不十分なうつ病に対しては、主に作用機序の異なる薬剤を併用する「増強療法」や、頭部に電流を流す「電気けいれん療法」などが用いられる。しかしこれらの治療法は、副作用のリスクが少なくない。より安全性の高い治療法に対するニーズが高まっていた。
2008年に米国で承認を取得
「NeuroStar」は、ニューロネティクス社が開発したrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)装置。頭部に当てた磁気コイルから左背外側前頭前野に対して非侵襲的に磁気刺激を与え、神経伝達物質の放出を促すこし、脳内を活性化させる。2008年には米国で承認を取得しており、約10年に及ぶ治療実績を誇る。
帝人ファーマは、2018年度中に医療機関に向けた「NeuroStar」の販売開始を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

うつ病治療の新たな選択肢 磁気刺激治療装置の国内独占販売契約を締結 - 帝人ファーマ株式会社
http://www.teijin-pharma.co.jp/