半減期延長型の遺伝子組換え型第8因子製剤
バイエル薬品株式会社は、10月17日、半減期延長型の遺伝子組換え型第8因子製剤「BAY94-9027」について、血友病A治療薬としての製造販売承認申請を日本で行ったと発表した。
この発表は、同日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを翻訳したもの。「BAY94-9027」は、ポリエチレングリコール分子が部位特異的に第8因子と結合することで、血液凝固活性を完全に保持したまま長時間体内での凝固活性を維持できるように設計された薬剤。
血栓形成に時間がかかる血友病A
血友病は、血栓形成に必要なタンパク質のひとつが欠損、あるいは機能低下することで発症する遺伝性疾患。血友病Aは、最も多いタイプの血友病であり、血液凝固第8因子の欠損あるいは機能低下によって、血が止まりにくくなる。発生率は、出生男児の5000人から1万人に1人と推定されている。
血友病Aの患者は、筋肉・関節・その他の組織で出血を繰り返し、その結果として関節に慢性的な損傷が生じるようになる。健康な人より血栓形成に時間がかかるため、外傷は軽微なものであっても適切な治療がされない場合、重篤な結果に至ることもある。
治療負担を軽減する新たな治療選択肢に
今回日本において提出された製造販売承認申請は、国際共同第3相臨床試験であるPROTECT8試験の結果に基づくもの。同試験では、7日毎・5日毎・週2回の投与頻度で定期補充療法が実施され、いずれの投与レジメンにおいても「BAY94-9027」は出血抑制効果が示したという。
ドイツ・バイエル社は同剤について、血友病A患者の治療負担を軽減する新たな治療選択肢になるとしている。
(画像はバイエル薬品の公式ホームページより)

BAY94-9027を血友病A治療薬として日本で製造販売承認申請 - バイエル薬品株式会社
http://byl.bayer.co.jp/