脳梗塞の治療を目的に治験が進められている
株式会社ニコンは、10月11日、同社子会社が体性幹細胞再生医薬品「MultiStem」の商用化に向けた受託生産契約を締結したと発表した。
この契約は、株式会社ニコン・セル・イノベーションと米アサシス社との間で締結されたもの。「MultiStem」は、アサシス社が開発を進めている体性幹細胞再生医薬品であり、日本においては脳梗塞の治療を目的に治験が進められている。
脳梗塞の治療可能時間を36時間へ延長
脳梗塞は、脳内の血流が遮断されることにより酸素や栄養分が届かなくなり、時間の経過と共に神経細胞が壊死していく疾患。死亡率が高く、患者のQOLも著しく低下させるため、治療薬のニーズは高い。
脳梗塞の現在における治療は、発作発生後4.5時間以内に脳内に詰まった血塊を溶かすt-PAの投与などがある。発症後、治療できる時間をより長くする新薬の開発が期待されていた。
「MultiStem」は、脳梗塞発症後の有効な治療可能時間を、現在の標準である4.5時間から36時間へ延長することが期待されている薬剤。
日本における商用化を目指す
今回の契約締結を受けニコン・セル・イノベーションは、「MultiStem」の商用段階における受託生産の実施に向け、同社施設での生産準備を開始する。
なお「MultiStem」の日本における開発および販売する独占的なライセンス契約は、株式会社ヘリオスが保持している。ニコン・セル・イノベーションは、アサシス社およびヘリオス社と協業し、日本における「MultiStem」の商用化を目指すという。
(画像はプレスリリースより)

脳梗塞の治療を目的とした体性幹細胞再生医薬品MultiStemの受託生産契約を締結 - 株式会社ニコン
http://www.nikon.co.jp/news/2017/1011_01.htm