世界消化器病学会/米国消化器病学会2017にて発表
武田薬品工業株式会社は、10月17日、潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療剤「Entyvio」の事後解析データを学会発表したことを明らかにした。
この発表は、世界消化器病学会/米国消化器病学会2017にて行われた。中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病を対象とする同剤のデータが発表されている。
ヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体「Entyvio」
潰瘍性大腸炎およびクローン病は、消化管内壁の炎症を特徴とする疾患。潰瘍性大腸炎は大腸のみに発現し、クローン病は消化管内部のあらゆる部位で炎症を引き起こす。両疾患の原因については、外的な環境要因と遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用について、多くの研究者が指摘している。しかし、正確な原因は今なお明らかになっていない。
「Entyvio」は、ヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体。α4β7インテグリンは、循環白血球のサブセットに発現する分子であり、消化管における血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合することで炎症反応を惹起する作用を持つ。同剤は、このα4β7インテグリンへ特異的に結合し、細胞接着分子への結合を阻害することで、特定のリンパ球が消化管細胞へ浸潤することを阻害する。
患者の症状について早期改善を示した
世界消化器病学会/米国消化器病学会2017にて発表された「Entyvio」の事後解析データでは、「Entyvio」が対象疾患に対して早期症状改善を実現したことが示された。
このデータでは、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病、特に生物学的製剤での治療経験がなく他の治療で十分な効果を得られなかった患者の症状について、「Entyvio」は早期改善を示したという。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

世界消化器病学会/米国消化器病学会2017における 「Entyvio」事後解析データの発表について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20171017_7857.html