第18回世界肺がん学会議にて発表
武田薬品工業株式会社は、10月16日、分子標的がん治療薬「ALUNBRIG」の臨床第2相試験ALTA試験の最新データを、第18回世界肺がん学会議にて発表したことを明らかにした。
ALTA試験は、「クリゾチニブ」投与中に進行した局所進行性あるいは転移性の未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座(ALK)陽性非小細胞肺がんを対象とする臨床第2相試験。
ARIAD社が創出した分子標的がん治療薬
「ALUNBRIG」は、2017年2月に武田薬品が買収したARIAD社が創出した分子標的がん治療薬。「クリゾチニブ」抵抗性のALK陽性非小細胞肺がん患者に対する治療として、FDAよりBreakthrough Therapyに指定されている。また、ALK陽性非小細胞肺がん患者およびROS1陽性とEGFR陽性の非小細胞肺がん患者に対する治療として、オーファン・ドラッグの指定も受けている。
非小細胞肺がんは、最も一般的な肺がん。非小細胞肺がん患者の約2%から8%が、ALK融合遺伝子を有していると考えられている。遺伝子研究の結果、非小細胞肺がん患者の小集団においてもALKの染色体転座は、重要ながん進行因子であることが判明。ALK阻害剤によるファーストライン治療を受けたALK陽性非小細胞肺がん患者は、最大70%で脳転移の可能性があるという。
試験の結果に基づき米国で販売許可を取得
ALTA試験は、局所進行性あるいは転移性ALK陽性非小細胞肺がん患者を対象とした現在進行中の非盲検多施設共同2群試験として実施された。主要有効性評価項目は、固形がんの治療効果判定のための新ガイドラインに従い確定された全奏効率。同試験の結果に基づき同剤は、ALK陽性転移性非小細胞肺がんに対する米国における販売許可を取得している。
なお、第18回世界肺がん学会議での発表は、同試験の最新データをオーラルセッションで発表する形で行われた。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

第18回世界肺癌学会議における「ALUNBRIG」の床第2相試験の最新データ発表について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20171016_7855.html