開発中止を発表
協和発酵キリン株式会社(以下、協和発酵キリン)は10月6日、2007年に米国ArQule社から導入した抗悪性腫瘍剤ARQ197(一般名:チバンチニブ)の開発中止を発表した。
チバンチニブは、受容体型チロシンキナーゼ(以下、c-Met)を阻害する分子標的薬剤。c-Metが胃がんを含む多くのがんで、異常増殖や転移などに関わりがあることが知られている。
期待していた結果が得られず
協和発酵キリンは、ARQ197の日本と中国、韓国、台湾での独占的開発・販売権をArQule社から取得、臨床試験を実施してきた。2017年3月には、肝細胞がんを対象とした国内第3相臨床試験の結果を公表。
ソラフェニブ治療歴のある患者を対象に、チバンチニブ投与群とプラセボ投与群を比較したところ、有意な差が認められなかった。その他、これまで協和発酵キリンは胃がん、非細胞肺がん、肝細胞がんなどの臨床試験を実施。そのいずれも期待していた結果が得られなかったとしている。
ARQ197は、第一三共株式会社も2008年にArQule社と、日本と中国、韓国、台湾を除いた全世界での独占的開発権・販売権を取得し、臨床試験を実施。2017年2月には肝細胞がんを対象とした試験で、主要評価項目の全生存期間の延長を達成することができなかったと公表していた。
(画像は協和発酵キリン株式会社HPより)

協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/