効果的な抗体の分離・分析により支援
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は、9月18日、分析用「FcRn アフィニティ カラム」を発売した。
同製品は、バイオ医薬品の開発時、タンパク質を精製する液体クロマトグラフィーで用いられるもの。効果的な抗体の分離・分析により、バイオ医薬品開発を支援するとしている。
FcRnを固定化し、カラムに充填
「FcRn アフィニティ カラム」は、ロシュグループ医薬品事業部門が開発しバイオ医薬品の開発過程で使用している手法を、製品化したもの。HPLCやFPLCなど液体クロマトグラフィー用に、胎児性Fc受容体(FcRn)を固定化し、カラムに充填している。
FcRnは、抗体の一つである免疫グロブリンG(IgG)に結合し、IgGの生体内での代謝や半減期をコントロールしている。IgGには、糖鎖構造の違いなどにより、異なるサブタイプが存在する。FcRnとIgGの結合の親和性は、pHに左右され、IgGのサブタイプごとに最適な親和性を示すpHが異なる。
「FcRn アフィニティ カラム」は、pH条件を変化させていくことで、FcRnに結合したIgGをサブタイプごとに順次カラムから溶離させ、単離する。このシンプルな手法により、複数の精製工程が必要だった従来のプロセスが簡略化され、分離・分析時間が大幅に短縮されている。
革新的な製品を提供
ロシュ・ダイアグノスティックスは、スイスに本社を置くロシュグループの診断薬事業部門の日本法人。様々な病気の兆候や体の状態を診断する為に必要な検査機器・試薬に加えて、最先端生命科学などの研究をサポートする機器・試薬など取り扱っている。
同社は今後も、バイオ医薬品開発で重要な役割を果たす抗体や糖鎖構造の分析を支援すべく、革新的な製品を提供するとしている。
(画像はプレスリリースより)

分析用「FcRn アフィニティ カラム」発売のお知らせ - ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
http://www.roche-diagnostics.jp/news/17/09/15.html