エピジェネティック異常の改善を目的とした創薬活動
大原薬品工業株式会社は、9月13日、国立がん研究センター研究所エピゲノム解析分野と同社の共同研究に関するプレスリリースを発表した。
両者は現在、エピジェネティック異常の改善を目的とした創薬活動において、共同研究を実施している。
がん化の原因となるエピジェネティック異常
エピジェネティクスは、塩基配列によらない遺伝情報の発現制御であることが広く知られている。DNAのメチル化修飾は、最も早く見出されたエピジェネティック要因とされる。
このメチル化は、通常DNAメチル基転移酵素(DNMT)によって制御されている。しかしがん患者においては、重要ながん抑制遺伝子がDNAメチル化異常により不活性化されていることから、エピジェネティック異常もがん化の原因となることが示されていた。
造血器腫瘍では特に、この異常が関与していると考えられている腫瘍が多い。そのため、骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病に対しては、DNMT阻害剤が臨床応用されている。
速やかに臨床応用が可能となるよう
国立がん研究センター研究所エピゲノム解析分野の分野長・牛島俊和氏は近年、DNMT阻害剤に対する新しい評価システムの開発に成功。大原薬品が創薬したDNMT阻害剤の候補化合物と、既に臨床応用されているDNMT阻害剤を比較検討したデータを発表している。
両者は今後、DNAメチル化異常のがん診断および最適な治療薬・治療法の開発を試み、速やかに臨床応用が可能となるよう継続的な研究に取り組むとしている。
(画像は大原薬品の公式ホームページより)

国立がん研究センターとの共同研究について - 大原薬品工業株式会社
http://www.ohara-ch.co.jp/