インフルエンザ患者1436人を対象とした試験
塩野義製薬株式会社は、9月14日、新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬「S-033188」の第3相臨床試験結果を、第6回欧州インフルエンザ科学ワーキンググループ会議にて発表したことを明らかにした。
「S-033188」は、塩野義製薬が創製した薬剤。同試験は、リスク要因を持たない健常のインフルエンザ患者1436人を対象として実施されている。
インフルエンザウイルスの増殖を抑制する
「S-033188」は、既存のノイラミニダーゼ阻害薬とは異なるメカニズムによって、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する新規化合物。経口による錠剤の1回のみの服用で、インフルエンザウイルス感染症の治療完結を可能にする薬剤として、期待されている。
同剤は2015年10月、厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。また日本と台湾を除く全世界においては、スイスのF.Hoffmann-La Roche Ltd.との提携下で塩野義製薬が開発を推進。現在は、重症化と合併症を起こしやすいリスク因子を持つハイリスク患者を対象として、グローバルで試験が実施されている。
有効性と安全性が比較検証された
「S-033188」の第3相臨床試験であるCAPSTONE-1試験では、プラセボあるいはオセルタミビルリン酸塩投与群を対照群として、同剤の有効性と安全性が比較検証された。
今回発表された結果によると「S-033188」は、インフルエンザ症状の罹病期間をプラセボに対して有意に短縮。ウイルス力価については、プラセボおよびオセルタミビルリン酸塩に対して有意な減少を達成した。ウイルス排出期間についても、プラセボおよびオセルタミビルリン酸塩に対して有意な短縮を達成している。
(画像は塩野義製薬の公式ホームページより)

新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188の第3相臨床試験結果を発表 - 塩野義製薬株式会社
http://www.shionogi.co.jp/