総死亡率低下の可能性も示唆
アストラゼネカ株式会社は、9月15日、GLP-1受容体作動薬「ビデュリオン」が、心血管リスクのある2型糖尿病患者を対象とするEXSCEL試験において心血管系イベントに対する安全性を実証したと発表した。
この発表は、アストラゼネカ英国本社が9月14日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。EXSCEL試験では、総死亡率低下の可能性も示唆されたという。
1万4500例以上の症例が登録
アストラゼネカは、世界中の糖尿病患者の負担と合併症を減少させるべく、サイエンスの限界に挑戦し、患者の人生を変えうる医薬品の創製を目指している。同社は、糖尿病領域を重点治療領域のひとつと規定。循環器疾患・肥満・非アルコール性脂肪性肝炎・慢性肝疾患といった重大な合併症を有する多様な母集団や患者に重点を置き、研究開発に勤しんでいる。
EXSCEL試験は、「ビデュリオン」の第3b/4相二重盲検プラセボ対照国際共同心血管アウトカム試験として、実施された。通常治療と広範な組み入れ基準を採用し、35ヵ国687施設から1万4500例以上の症例が登録されている。
心血管イベントの発生はプラセボ群と比べて少数
EXSCEL試験において「ビデュリオン」は、心血管死・非致死的心筋梗塞もしくは非致死的脳卒中の複合評価項目であるMACEの発現率について、プラセボとの比較で上昇を示さなかった。有効性の主要評価項目であったMACE軽減については、統計上の有意差に届かなかったが、心血管イベントの発生はプラセボ群と比べて少数だったとしている。
また事前に規定された2次解析では、「ビデュリオン」群における総死亡率が14%低いことも示されている。
(画像はアストラゼネカ株式会社の公式ホームページより)

「ビデュリオン」 EXSCEL試験で心血管系イベントに対する安全性を実証 - アストラゼネカ株式会社
https://www.astrazeneca.co.jp/