非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象として実施
アステラス製薬株式会社は、9月14日、経口アンドロゲン受容体阻害薬「エンザルタミド」第3相PROSPER試験の結果を発表した。
同剤は、同社と米Pfizer社が共同で開発・商業化を進めている薬剤。同試験は、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象として実施され、主要評価項目である無転移生存期間の延長が達成されている。
患者1400名が組み入れられていた
PROSPER試験は、国際共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験として実施された。米国・カナダ・欧州・南米・アジア太平洋地域の医療機関において、アンドロゲン除去療法後に増悪したリスクの高い前立腺がん患者のうち、無症候性で転移が確認されていない患者1400名が組み入れられている。
同試験では、アンドロゲン除去療法に加えて「エンザルタミド」160mgを1日1回投与した群と、プラセボを投与した群の2群間で、比較検証を実施。「エンザルタミド」投与群は、無転移生存期間の統計学的に有意な延長を示した。
早期前立腺がん治療における新たな選択肢を提供
今回の試験結果により「エンザルタミド」は、無転移生存期間の延長を示した初めてのアンドロゲン受容体阻害薬となった。この結果を受けてアステラス製薬とPfizer社は、適応拡大に向けての協議を各国の規制当局と開始。同剤の試験実施計画も改訂し、試験の完了時期が当初予定から2年早まることとなった。
アステラス製薬は今後も、「エンザルタミド」の開発を進めることで、早期前立腺がん治療における新たな選択肢提供の実現を目指すとしている。
(画像はアステラス製薬の公式ホームページより)

エンザルタミドの第3相PROSPER試験 結果のお知らせ - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/ja/news/9811