無増悪生存期間の優越性を示した
アストラゼネカ株式会社は、9月11日、アストラゼネカ英国本社が「デュルバルマブ」の第3相PACIFIC試験に関する報告を、2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において行ったと発表した。
この発表は、アストラゼネカ英国本社が9月9日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。 切除不能局所進行の非小細胞肺がん患者を対象としたPACIFIC試験において「デュルバルマブ」は、無増悪生存期間の優越性を示している。
ヒトモノクローナル抗体「デュルバルマブ」
「デュルバルマブ」は、PD-L1を直接標的とするヒトモノクローナル抗体。PD-L1とT細胞上のPD-1およびCD80の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用することで、免疫反応を誘発する。様々なステージの非小細胞肺がん、また小細胞肺がんなどの第3相試験において、単剤療法としての評価を獲得している。
アストラゼネカはまた、「トレメリムマブ」や免疫療法における他の新薬候補との併用療法試験についても、同剤の検討を実施。「デュルバルマブ」と「トレメリムマブ」の併用療法については、転移性尿路上皮がんや非小細胞肺がんなどに関して第3相試験が行われている。
新たな標準治療となる可能性
ESMOにおいて今回発表されたのは、PACIFIC試験の中間解析結果に基づく無増悪生存期間のデータ。切除不能局所進行(ステージ3)非小細胞肺がんにおいて「デュルバルマブ」は、現在の標準治療と比較して統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を示したという。
アストラゼネカは同剤について、根治的同時化学放射線療法後に病勢進行の見られない切除不能局所進行非小細胞肺がん患者にとって、新たな標準治療となる可能性があるとしている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

デュルバルマブ、ESMOにおいてPACIFIC試験での無増悪生存期間の優越性を報告 - アストラゼネカ株式会社
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