第3相国際共同試験のサブグループ解析により実現
アストラゼネカ株式会社は、9月12日、生物学的製剤「ベンラリズマブ」の治療効果が最も期待できる重症気管支喘息患者の予測を可能にする主な因子が同定されたと発表した。
この発表は、英国アストラゼネカが9月11日に発信したプレスリリースを翻訳したもの。今回の因子同定は、「ベンラリズマブ」の第3相国際共同試験であるSIROCCO試験およびCALIMA試験のサブグループ解析により実現した。同剤の高い有効性が確認された。
IL-5受容体を発現している好酸球をほぼ完全に除去
「ベンラリズマブ」は、ヒト化抗インターロイキン-5(IL-5)受容体αモノクローナル抗体製剤(遺伝子組換え)。協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社よりアストラゼネカへ導入され、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと協和発酵キリンが開発を行った。
喘息では、好酸球と呼ばれる生物学的エフェクター細胞が炎症と気道過敏性を起こし、症状が重症化するケースがある。「ベンラリズマブ」は、この好酸球の表面に発現するIL-5受容体に対して、直接的に作用。体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を高め、IL-5受容体を発現している好酸球をほぼ完全に除去する。また、コントロール不良である好酸球性重症喘息患者の喘息増悪頻度を減少し、呼吸機能および喘息症状を改善する結果も示されている。
臨床エビデンスがさらに蓄積された
SIROCCO試験およびCALIMA試験の事後解析において今回、過去の増悪頻度、そしてベースライン血中好酸球数が高いほど、「ベンラリズマブ」はより高い治療効果を発揮することが明らかになった。また、ベースライン血中好酸球数と喘息増悪頻度の両方が高い患者においては、さらに高い奏効が予測されている。
アストラゼネカは、今回得られた知見により「ベンラリズマブ」の臨床エビデンスがさらに蓄積されたとしている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

ベンラリズマブ 増悪頻度および・またはベースライン血中好酸球数が治療効果の主な予測因子 - アストラゼネカ株式会社
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