ASBMR2017年年会にて発表
協和発酵キリン株式会社と米ウルトラジェニクス社は、9月12日、抗FGF23完全ヒト抗体「burosumab」の臨床試験結果に関する追加データを、American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR) の2017年年会にて発表したことを明らかにした。
XLHとTIOを対象とする第2相試験のデータ
今回「burosumab」について学会発表が行われたのは、1歳以上5歳未満の小児X染色体遺伝性低リン血症(XLH)を対象とした第2相臨床試験における40週のデータと、腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象とした第2相臨床試験における24週のデータ。
XLHは、遺伝的な原因により血中のFGF23が過剰となる希少疾患。体内のリンが尿中へ過剰に排泄されることで、低リン血症を誘発し、結果として骨の成長・維持に障害をきたす。
TIOおよびその皮膚病変の変異型表皮母斑症候群(ENS)に伴う骨軟化症は、FGF23を過剰分泌する腫瘍や皮膚病変により生じる疾患。尿中への過剰なリン排泄を引き起こすことで、重篤な低リン血症や骨軟化症などを引き起こす。
XLHとTIOの両方で良好な成績が得られた
発表されたデータによると「burosumab」は、小児XLH患者を対象とした第2相臨床試験において、投与開始1週間後から被験者の血清リン濃度を正常値下限域にまで上昇させた。また77%の被験者では、40週時点での血清リン濃度が正常値下限域に維持されていることも、認められている。
17名の成人TIO患者を対象とした第2相試験において「burosumab」は、16例において平均血清リン濃度などを上昇。投与開始後2週間で正常域に達し、その値は24週まで維持されたという。
(画像は協和発酵キリンの公式ホームページより)

抗FGF23完全ヒト抗体burosumabの臨床試験結果に関する追加データの学会発表について - 協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/