小野薬品が開発および販売の権利を取得
小野薬品工業株式会社と生化学工業株式会社は、9月1日、変形性関節症治療剤「SI-613」について、日本における共同開発および販売提携に関する契約を締結したと発表した。
「SI-613」は、ヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を化学結合した薬剤。今回の契約締結により小野薬品は、日本を対象とした同剤の共同開発および独占販売の権利を取得している。
ヒアルロン酸とNSAIDを化学結合
「SI-613」は、生化学工業が保有する独自の薬剤結合技術を用いることで、ヒアルロン酸とNSAIDの化学結合を実現した薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加えて、徐放されるよう設計されたNSAIDの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つ。
同剤は、変形性関節症に見られる強い痛みや炎症を、速やかかつ持続的に改善することが期待されている。また、注射剤として関節腔内に直接投与するため、NSAIDの経口剤や貼付剤投与と比較して副作用を軽減する可能性も考えられている。
早期承認取得を目指す
「SI-613」は現在、変形性関節症を対象とした第3相臨床試験が日本において実施されている。また、膝関節を対象とした検証的試験に加えて、他関節部位を対象とする臨床試験および安全性評価を主目的とする長期投与試験も、実施される予定となっている。
小野薬品と生化学工業は、これらの試験を速やかに進めることで、「SI-613」の早期承認取得を目指すとしている。
(画像は小野薬品の公式ホームページより)

SI-613の日本における共同開発および販売提携に関する契約締結のお知らせ - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n17_0901.pdf