スイス・ノバルティス社が8月27日に発表
ノバルティス ファーマ株式会社は、9月4日、「ACZ885」について実施されたCANTOS試験の結果が発表されたことを明らかにした。
この発表は、スイス・ノバルティス社が8月27日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。この試験結果は『Lancet』誌に掲載されたものであり、「ACZ885」は肺がん死亡率を77%低下させたという。
肺がん発症の相対的リスクは67%低下
「ACZ885」は、炎症性アテローム性動脈硬化症を継続的に進行させる炎症経路において、極めて重要なサイトカインであるIL-1βを選択的かつ高親和性に阻害する完全ヒトモノクローナル抗体。持続的にIL-1βの作用を阻害することで、IL-1βの産生過剰によって生じる炎症を抑制する。
CANTOS試験は、心筋梗塞の既往がある炎症性アテローム性動脈硬化症患者を対象として、「ACZ885」の働きを評価する第3相試験として実施された。同試験の追加的解析において同剤は、ACZ885は肺がん発症率と死亡率を低下させることを証明。3カ月に1回投与された患者では、肺がん発症の相対的リスクは67%低下し、肺がん死亡率の相対的リスクは77%低下している。
今後も数多くのがん免疫治療の開発を探索
CANTOS試験における全てのがん症例は、治療薬割り付けを知らない独立した腫瘍専門医によって評価が行われた。肺がんの詳細な解析結果および心血管アウトカムデータは、欧州心臓病学会にて発表され、同時に『Lancet』誌にも掲載されている。
ノバルティスは、近年がん免疫治療薬が肺がん患者のアウトカムを改善しているとして、今後も数多くのがん免疫治療の開発を探索するとしている。
(画像はノバルティス ファーマの公式ホームページより)

ノバルティス、Lancet誌に掲載されたCANTOS試験結果を発表 - ノバルティス ファーマ株式会社
https://www.novartis.co.jp/