成功確度を高めるべく実施
生化学工業株式会社は、2018年2月19日、腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」について、米国における第3相臨床試験(追加試験)を開始したと発表した。
この追加試験は、前回行われた米国における第3相臨床試験の結果から得られた知見を反映させ、成功確度を高めるべく実施されるもの。
椎間板内へ直接投与、GAGを分解して髄核を縮小
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部分にある髄核や外側の線維輪の一部が突出することにより、脊椎周辺の神経が圧迫され生じる疾患。痛みやしびれといった症状を引き起こす。
「SI-6603」は、髄核の構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)を特異的に分解する酵素コンドリアーゼを利用した注射薬。椎間板内へ直接投与することにより、GAGを分解して髄核を縮小させることで、神経への圧迫を軽減させる効果が期待されている。また同剤は、タンパク質を分解しない。そのため、血管や神経など周辺組織に影響を与えないとも考えられている。
腰椎椎間板ヘルニアの新しい治療選択肢を提供
今回実施される「SI-6603」の追加試験は、米国にて実施された無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験において、投与後13週での下肢痛軽減について統計学的に有意な改善効果が認められなかったことを受け、実施されるもの。
同社は今後、日本および米国において同剤の承認を取得し、腰椎椎間板ヘルニアの新しい治療選択肢を提供するとしている。
(画像は生化学工業の公式ホームページより)

SI-6603の米国における第3相臨床試験(追加試験)開始に関するお知らせ - 生化学工業株式会社
http://ir.seikagaku.co.jp/