次世代の革新的な治療法の創出を目指す
武田薬品工業株式会社は、2018年2月21日、研究開発および販売に関する契約ならびに複数のプログラムに関するオプション契約を、シンガポールのWave社との間で締結したと発表した。
同契約は、遺伝的神経系疾患に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド医薬品を開発すべく締結されたもの。次世代の革新的な治療法の創出を目指すという。
HD・ALS・FTD・SCA3を標的としたプログラムに取り組む
Wave社は、従来の低分子化合物や生物学的製剤では治療困難な疾患を治療するためのオリゴヌクレオチド医薬品の開発を進めている企業。同社が開発中の分子は、標的疾患を治療できる可能性が期待されている。
武田薬品とWave社が今回締結した契約による提携では、ハンチントン病(HD)・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・前頭側頭型認知症(FTD)・脊髄小脳失調症3型(SCA3)を標的としたプログラムが、最初に取り組まれる。
この取り組みでは、HD治療薬として臨床第1b/2a相試験が進行中の「WVE-120101」「WVE-120102」、ALSおよびFTDの治療薬として2018年第4四半期より臨床試験を開始する見込みの「WVE-3972-01」、そしてSCA3に対する治療薬としてATXN3遺伝子を標的とするプログラムについて、研究が行われる。
今後も、革新的治療の開発を加速する
武田薬品は今回のWave社との提携について、同社のパートナーシップ戦略および神経精神疾患領域における活動強化の一端を成すものとする。同社は近年、Mindstrong Healthとも業務提携契約を締結し、特定の精神疾患に対するデジタルバイオマーカーの開発に向けた研究を推進。Denali Therapeuticsとの提携でも、神経変性疾患に対する治療薬の開発・上市を目指している。
同社は今後も、現状では治療法が存在しない疾患を有する患者のために、革新的治療の開発を加速するとしている。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

神経系疾患に対する革新的治療法の開発に向けた事業強化について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2018/20180221_7927.html