ライセンス契約の変更契約を締結
大日本住友製薬株式会社は、2018年2月15日、非アルコール性脂肪肝炎および原発性胆汁性胆管炎の治療薬「DSP-1747」について、米Intercept社とライセンス契約の変更契約を締結したと発表した。
「DSP-1747」は、大日本住友製薬が米Intercept社より導入した薬剤。今回締結した契約に基づき大日本住友製薬は、日本および韓国における独占的な開発・製造・販売権をIntercept社へ返還する。
非アルコール性脂肪肝炎と原発性胆汁性胆管炎
非アルコール性脂肪肝炎は、飲酒歴や肝炎ウイルス感染がないにも関わらず、肝組織で壊死・炎症や線維化を伴う脂肪肝炎。5年から10年の経過において、患者の5%から25%までが肝硬変へ進行すると報告されている。
原発性胆汁性胆管炎は、50歳代から60歳代にかけての女性に好発する自己免疫性肝疾患。慢性炎症によって肝内小型胆管が破壊されることで、胆汁が肝臓内に滞留し、肝臓が障害を受ける疾患となっている。
「DSP-1747」は、胆汁酸をリガンドとする核内レセプター「FXR(Farnesoid X receptor)」への作動薬。大日本住友製薬は2011年3月、同剤をIntercept社より導入していた。
中国では引き続き開発・製造・販売権を保有
大日本住友製薬は、日本および中国における非アルコール性脂肪肝炎および原発性胆汁性胆管炎を対象として「DSP-1747」を導入し、後には韓国もテリトリーに追加。非アルコール性脂肪肝炎を対象とする国内第2相試験も終了し、今後の開発計画を検討していたという。
しかし今回の変更契約締結により同社は、「DSP-1747」の国内開発を行わないことを決定した。なお中国については、同社は引き続き同剤の独占的な開発・製造・販売権を保有するとしている。
(画像は大日本住友製薬の公式ホームページより)

オベチコール酸(DSP-1747)に関するライセンス契約の変更について - 大日本住友製薬株式会社
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20180215.1.pdf