新たな製剤、バイアル入り液剤「イラリス皮下注射液150mg」
ノバルティスファーマ株式会社は2月15日、「イラリス(一般名:カナキヌマブ[遺伝子組換え])皮下注用150mg」の新たな製剤として、バイアル入り液剤「イラリス皮下注射液150mg」の剤形追加承認を2月9日に取得した、と発表した。
溶解が不要なため医療関係者の負担が軽減
「イラリス」は、炎症性サイトカインの一つ、ヒトインターロイキン(IL)-1βに対する遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1モノクローナル抗体で、IL-1βに結合して活性を中和し、炎症を抑える自己炎症性疾患治療薬である。
自己炎症性疾患は、炎症を主病態とする新疾患概念で、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、家族性地中海熱(FMF)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)(HIDS(MKD))などが含まれる。
現在販売中の「イラリス」の剤形は、凍結乾燥製剤であるため、薬剤投与の際、注射用水で20分以上かけて溶解する必要があり、準備に時間と負担を要した。
バイアル入り液剤の新たな製剤は、凍結乾燥製剤と生物学的同等性を有し、かつ溶解が不要であるため、医療関係者の負担が軽減し、利便性の向上が期待される。
同剤形は、2016年12月米国、2017年3月EUにおいて承認され、発売されている。
また、効能・効果、用法・用量は、従来の凍結乾燥製剤と同じであるとのこと。
(画像はプレスリリースより)

ノバルティスファーマ株式会社のプレスリリース
https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20180215