神経終末で疼痛に関わる神経伝達物質の過剰な放出を抑制
第一三共株式会社(以下、第一三共)は、α2δリガンド(アルファ2デルタ)「ミロガバリン」について、末梢性神経障害性疼痛(PNP)に対する国内製造販売承認申請を行ったと発表した。
ミロガバリンは、第一三共が独自に創製・開発した慢性疼痛治療薬。新規α2δリガンドであり、電位依存性カルシウムチャネルのα2δ-1サブユニットに選択的に結合する作用機序を有する。
神経終末で疼痛に関与する神経伝達物質の過剰な放出を抑制し、鎮痛作用を発揮するとされる製剤。
糖尿病性末梢神経障害性疼痛と帯状疱疹後神経痛のP-3結果に基づく申請
第一三共はミロガバリンに対して、糖尿病性末梢神経障害性疼痛と帯状疱疹後神経痛を対象とする2つの第3相臨床試験を、2015年2月より行ってきた。
両試験とも主要評価項目を達成しており、同社は、今回の承認申請はその結果に基づくものであるとしている。
末梢性神経障害性疼痛は、末梢神経に起こる損傷や機能異常から引き起こされる痛み。糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)や帯状疱疹後神経痛(PHN)は、その代表的な疾患と言える。
糖尿病性末梢神経障害性疼痛は糖尿病の3大合併症の一つで、国内で1,000万人を超えると推測される糖尿病患者のうち、9~22%がDPNPに罹患しているとの報告がある。
また、帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹が治癒した後も痛みが持続する難治性疼痛の一つで、国内で年間50~60万人が発症する帯状疱疹患者のうち、10~25%がPHNに罹患しているとされている。
第一三共は、ミロガバリンを末梢性神経障害性疼痛領域の新たな治療の選択肢として提供することで、日本の患者や医療関係者に貢献できるものと期待感を表している。
(画像は第一三共株式会社 ホームページより)

第一三共株式会社 ニュースリリース
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