キョウチクトウ科植物に含まれる強心配糖体「ウアバゲニン」に着目
東北大学は2月2日、同大大学院理学研究科の発表として、強心配糖体から得られる化合物ウアバゲニンが、副作用の少ない新たな医薬資源となることを明らかにしたと報じた。
この研究成果は、東北大学大学院理学研究科化学専攻の上田実教授、田村理講師(現・岩手医科大学薬学部准教授)、東京工科大学応用生物学部の岡田麻衣子助教らの研究グループによるもの。
配糖体は分子内に糖を有する化合物で、強心配糖体は、ある種の植物や動物に含まれるステロイド配糖体(ステロイドに糖が結合した化合物)の総称。ジギタリスの成分ジギトキシンやキョウチクトウ科植物のウアバインなどは強心剤、心不全や不整脈の治療薬として古くから用いられてきた。
脂肪肝などの副作用が少ない高血圧治療薬開発へ期待
新たな医薬資源として注目されるウアバゲニンは、核内受容体のひとつである肝X受容体(LXR)に選択的に結合するが、高血圧などの現代病に対して既知の合成医薬品に見られる脂肪肝誘導などの副作用を示さない。
このことから、ウアバゲニンは医薬品を開発する上で有望なシーズであり、高血圧治療薬の選択肢を広げる医薬品シーズとしての期待が寄せられている。
なお、この研究成果は平成30年2月2日10時(英国時間)英国科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。
(画像はプレスリリースより)

東北大学プレスリリース
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