学会および学術誌にて公表
ヤンセンファーマ株式会社は、2018年2月9日、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした「アパルタミド」の第3相SPARTAN試験のデータが公表されたと発表した。
この発表は、ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセン社が、2月8日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。SPARTAN試験のデータは、2018年全米臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウムおよび『The New England Journal of Medicine』誌にて公表されている。
承認されている治療薬は存在しない疾患
非転移性去勢抵抗性前立腺がんは、テストステロンを減少させる内科的・外科的去勢が有効ではないにもかかわらず、他の身体部位に転移病変がみられない前立腺がんを指す。同疾患の患者の90%は、最終的には骨転移を発現する。現時点において、FDAにより承認されている治療薬は存在しない。
「アパルタミド」は、次世代型の経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤。「アンドロゲンがアンドロゲン受容体(AR)に結合するのを阻害する」「ARががん細胞内に移行するのを止める」「ARががん細胞のDNAに結合するのを阻害する」という3つの方法で、がん細胞の増殖を阻害する。
転移および死亡リスクを72%減少
SPARTAN試験は、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者1207名が参加し、北米・欧州など26ヵ国332施設で実施された試験。同試験において「アパルタミド」は、ハイリスクの非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者の転移および死亡リスクを、プラセボ群と比較して72%減少させた。また、無転移生存期間中央値も2年以上延長したという。
ヤンセン社はこの結果について、アンメットニーズに対する同社の取り組みを明確に示すものであるとしている。
(画像はヤンセンファーマの公式ホームページより)

非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としたアパルタミドの試験のデータ公表 - ヤンセンファーマ株式会社
http://www.janssen.com/japan/press-release/20180209