有効性が確認できなかったため
武田薬品工業株式会社は米ジンファンデル社は、2018年1月26日、「ピオグリタゾン」0.8mg徐放製剤投与によるアルツハイマー病の発症遅延効果を検討するTOMMORROW試験について、中止を決定したと発表した。
この中止決定は、同剤投与群において軽度認知機能障害の発症遅延に対する有効性が確認できなかったため。安全性や試験実施上の問題による決定ではないとしている。
武田薬品と米ジンファンデル社
武田薬品は、治療オプションが不足している神経精神疾患患者に革新的な治療薬を届けるべく、最新の科学技術および外部とのパートナーシップを活用し、創薬に取り組んでいる企業。研究開発においては患者中心のアプローチを採用し、治療効果を検証するために明確な対象患者群を選定し、新たな治療ターゲットの選定も進めている。
米ジンファンデル社は、ノースカロライナ州チャペルヒルに本社を置く企業。薬理遺伝学を活用し、アルツハイマー病のリスク予見精度を高めることで、効果的な治療法の開発に取り組んでいる。
得られた情報は科学界に提供する予定
TOMMORROW試験は、グローバル臨床第3相試験として実施された。
同試験では、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の発症リスクを予見すべく、遺伝情報に基づくバイオマーカーを用いた評価手法を検証。また、同手法により発症リスクが高いと診断された認知機能が正常な高齢者を対象として、「ピオグリタゾン」投与によるアルツハイマー病の発症遅延効果も検討されていた。
両社は今後、TOMMORROW試験における結果を学会などで発表し、得られた情報を科学界に提供する予定だという。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

TOMMORROW試験の中止について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2018/20180126_7906.html