腹痛時の自律神経活動を測定できるアプリ「おなかナビ」
東北大学は1月26日、医学系研究科と情報科学研究科の研究者が共同で、腹痛時の自律神経活動を測定できるiPhoneアプリケーション「おなかナビ」を開発し、このアプリを用いた過敏性腸症候群の神経活動調査を開始する、と発表した。
研究開発は、文部科学省科学研究費補助金とアステラス病態代謝研究会研究助成金の支援を受けている、とのこと。
過敏性腸症候群の発症メカニズム解明を目指す
過敏性腸症候群は、日本に約800万人いるとされ、ストレス等により、腹痛や下痢・便秘を伴う症状を繰り返す疾患である。
日常生活の中で突然発症するため、腹痛時、医療機関の診察を受けることができないため、発症のメカニズムがよくわかっていない。
また、採血検査、消化管内視鏡検査、腹部画像などでは異常を示さないため、適切に治療する機会が失われたり、日常生活の質(QOL)が低下したりすることが問題である。
そこで、東北大学研究グループは、日常生活の中で、腹痛などの症状を簡単に診断・記録できる、iPhoneアプリケーション「おなかナビ」を開発した。
「おなかナビ」は、米アップル社が提供する、医療倫理や個人情報保護個人情報保護にも配慮された医学研究用ソフトウェアフレームワークApple ResearchKitを用いて開発された、世界初の過敏性腸症候群用測定・記録アプリである、とのこと。
この研究への参加者は、日本全国どこにいても、世界基準に基づいた過敏性腸症候群の可能性をチェックし、腹痛、排便状態、心身のストレス度を記録することができる。
さらに、過敏性腸症候群の疑いがある場合、「おなかナビ」の記録を主治医見せることで、円滑な診療の手助けとなる。
研究グループは、「おなかナビ」により収集したアンケート結果や神経活動のデータを活用して過敏性腸症候群の発症メカニズムを解明し、広く社会に貢献することを目指す、という。
(画像はプレスリリースより)

東北大学のプレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/別掲
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