希少疾患に高い治療効果が見込まれる薬剤が対象
アステラス製薬株式会社は、2018年1月23日、同社が開発中のFLT3/AXL阻害剤「ギルテリチニブ」が、急性骨髄性白血病の治療薬として欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けたと発表した。
欧州におけるオーファンドラッグ指定は、患者数が人口の0.05%以下である希少疾患に対して、高い治療効果が見込まれる薬剤が対象になっている。
FLT3の2つの遺伝子変異を阻害
急性骨髄性白血病は、血液と骨髄に影響を及ぼすがん疾患。高齢者が多く罹患する疾患であり、加齢とともに患者数が増加する。西ヨーロッパでは約13000人が、日本では約4500人が、毎年新たに急性骨髄性白血病と診断されている。米国では2017年、約21000人が同疾患と診断された。
「ギルテリチニブ」は、がん細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼであるFLT3およびAXLを阻害する薬剤。急性骨髄性白血病患者の約3分の1において認められるFLT3の2つの遺伝子変異を阻害し、同疾患細胞株であるAXL受容体に対しても阻害効果を発揮する。アステラス製薬は現在、複数の第3相試験により同剤の有効性および安全性を検証している。
2017年7月にはFDAもオーファンドラッグに指定
今回ECが「ギルテリチニブ」に対して行ったオーファンドラッグ指定は、Committee for Orphan Medicinal Products(COMP)による指定推奨勧告に基づくもの。COMPは、欧州医薬品審査庁において希少疾病医薬品の科学的評価を担当している。
なお同剤は、2017年7月には米国食品医薬品局(FDA)がオーファンドラッグに指定。国内でも、厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定を受けている。
(画像はアステラス製薬の公式ホームページより)

ギルテリチニブ 欧州委員会よりオーファンドラッグ指定を取得 - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/ja/news/10211