皮膚病変の腫瘍に発現するCD30が標的
武田薬品工業株式会社は、2018年1月23日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」について、CD30陽性皮膚T細胞リンパ腫の効能を追加する承認を、欧州において取得したと発表した。
CD30は、同疾患患者の約半数において皮膚病変の腫瘍に発現する分子。「アドセトリス」は、このCD30を標的とした抗体薬物複合体。
大きなアンメットニーズが存在していた
CD30陽性皮膚T細胞リンパ腫は、CTCLは非ホジキンリンパ腫の一種。しばしば、湿疹あるいは乾癬に類似した赤い落屑状斑または肥厚した斑が、皮膚上において特徴的に認められる。そのため同疾患患者は、大きな心理的影響を蒙る場合がある。
同疾患に対して承認された治療オプションは、現状としてはほとんど存在せず、その有効性も限られている。また、ここ数年で導入された新たな治療オプションもごくわずかなものであり、大きなアンメットニーズが存在していた。
新たな治療オプションを届けることを誇りに思う
今回「アドセトリス」が取得した効能追加承認は、無作為化非盲検臨床第3相試験(ALCANZA試験)のデータに基づくもの。同試験では、「メトトレキサート」あるいは「ベキサロテン」を投与した対照群と、「アドセトリス」単独投与群との比較を実施。「アドセトリス」投与群は、対照群と比較して統計学的に有意な改善を示したという。
武田薬品は今回の承認取得について、欧州におけるCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫患者へ新たな治療オプションを届けることを、誇りに思うとしている。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

「アドセトリス」のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫に対する欧州での承認取得について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2018/20180123_7895.html