2015年9月に希少疾病用医薬品として指定
ヤンセンファーマ株式会社は、2018年1月19日、抗結核薬「サチュロ錠 100mg」について、多剤耐性肺結核を適応症とする製造販売承認を取得したと発表した。
「サチュロ」は、ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社が創製した、ジアリルキノリン系の新規抗結核薬。日本においては、2015年9月に希少疾病用医薬品として指定されていた。
既存の抗結核薬とは異なる作用機序を持つ
多剤耐性肺結核は、一次抗結核薬のうち少なくとも「イソニアジド」および「リファンピシン」の両剤に耐性を有する結核を指す。治療の中断や不規則な服薬といった治療上の問題が、結核菌の薬剤耐性化や多剤耐性化に影響を及ぼしている。治療成功率は54%に過ぎず、治癒しても再発する場合が多い。高い有効性・安全性・忍容性を示す新薬を含む併用療法の開発が、緊急の課題となっていた。
「サチュロ」は、既存の抗結核薬とは異なる作用機序を持つ抗結核薬。結核菌のエネルギー生成に必須であるアデノシン5-3リン酸合成酵素を特異的に阻害し、増殖期および休眠期の結核菌のいずれに対しても強い殺菌活性を発揮する。2012年には米国で、2014年には欧州で承認を取得。現在では、多剤耐性肺結核に対する多剤併用療法の一剤として世界49の国と地域で承認・販売されている。
満たされない医療ニーズに応え、患者のQOL向上に尽力
「サチュロ」が取得した承認は、多剤耐性肺結核患者を対象とした国内第2相試験(TBC2001試験)や、海外第2相試験(C208試験およびC209試験)などの結果に基づくもの。
ヤンセンファーマは今回の「サチュロ」承認取得について、深刻な公衆衛生上の課題に対する革新的な薬剤を提供するという同社のコミットメントを反映したものであるとする。同社は今後も、満たされない医療ニーズに応え、患者のQOL向上に尽力するとしている。
(画像はヤンセンファーマの公式ホームページより)

新規抗結核薬「サチュロ」、 多剤耐性肺結核を適応症として製造販売承認を取得 - ヤンセンファーマ株式会社
http://www.janssen.com/japan/press-release/20180119