ライセンサーである米オンコノバ社が発表
シンバイオ製薬株式会社は、2018年1月18日、抗がん剤「rigosertib」の第3相国際共同試験INSPIRE試験に関する中間解析結果を、ライセンサーである米オンコノバ社が発表したことを明らかにした。
同試験は、低メチル化剤による治療において効果が得られないまたは治療後に再発した高リスク骨髄異形成症候群患者を対象として実施されたもの。シンバイオは、2011年7月に同剤をオンコノバ社より導入したしている。
輸血に依存せざるを得ない骨髄異形成症候群
INSPIRE試験において対象とされた骨髄異形成症候群は、造血幹細胞の異常によって造血障害を起こし、その結果として血球減少が生じる疾患。急性骨髄性白血病への移行が高い確率で見られ、予後は不良とされている。現在のところ優れた治療方法は存在しておらず、多くの患者は輸血に依存せざるを得ない。新しい治療方法が、切望されていた。
「rigosertib」は、がん細胞を死滅させる新たな作用機序を有する低分子の抗がん剤。同剤は、がん関連遺伝子産物であるRasの作用を阻害することにより、PI3Kなど複数のキナーゼの作用を妨害。がんの生存や増殖に必要な細胞内シグナルの伝達を抑制することで、がん細胞の死滅をもたらす。
症例を増やした上で試験を継続する
INSPIRE試験の中間解析の結果よりオンコノバ社は、症例数を225症例より360症例に増やした上で同試験を継続すると決定。この決定については、データモニタリング委員会からも推奨を受けたという。
高リスク骨髄異形成症候群患者は、既存の医薬品では満たされない医療ニーズが、極めて高い。そのためシンバイオは、今後もオンコノバ社と協力し、国内の症例数を増加して同試験を進めるとしている。
(画像はシンバイオの公式ホームページより)

抗がん剤「rigosertib」第3相国際共同試験に関する中間解析結果の発表について - シンバイオ製薬株式会社
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