切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんが効能
中外製薬株式会社は、2018年1月19日、「テセントリク点滴静注1200mg」について厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は、抗PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)ヒト化モノクローナル抗体。今回同剤が取得した製造販売承認は、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを効能・効果とするもの。
ロシュ・グループのジェネンテック社が創製
「テセントリク」は、ロシュ・グループのジェネンテック社が創製した薬剤。腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するPD-L1と呼ばれるタンパク質を、標的として阻害するモノクローナル抗体となっている。
PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1およびB7.1の双方と結合し、T細胞の働きを阻害する作用を持つ。「テセントリク」は、この結合を阻害し、T細胞の抑制状態を解除する。この作用により、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられている。
同剤は、化学療法の治療歴がある転移性非小細胞肺がんなどについて、米国を含む50カ国以上で承認を取得している。
新たな治療選択肢の一つとなるよう
日本国内において「テセントリク」は、非小細胞肺がんを対象とした7つの臨床試験が実施されており、単剤または他の薬剤との併用による評価が行われている。また、小細胞肺がん・尿路上皮がん・乳がん・腎細胞がん・卵巣がん・前立腺がんを対象とした第3相臨床試験も、実施されている。
中外製薬は今後も、オンコロジー領域の国内トップ製薬企業として、「テセントリク」が新たな治療選択肢の一つとなるよう取り組むとしている。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

「テセントリク」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する承認を取得 - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/