平成29年度の第2回公募において採択
日本ケミファ株式会社は、2018年1月11日、抗うつ・抗不安薬として同社が開発を続けているオピオイドδ受容体体作動薬「NC-2800」が、「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に採択されたと発表した。
「CiCLE」は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による事業。「NC-2800」は、平成29年度の第2回公募において同事業に採択されている。
3種が存在するオピオイド受容体
オピオイド受容体には、主にμとκ、そしてδの3種が存在する。
モルヒネなど麻薬性鎮痛薬による強い鎮痛作用と薬物依存などの副作用は、μ受容体への作用に由来することが明らかとなっている。対してオピオイドδ受容体の活性化は、うつや不安障害への改善効果などの薬理作用が知られ、便秘・呼吸抑制・薬物依存などの副作用への影響は少ないとされる。そのためδ受容体は、安全性と有効性のバランスに優れた医薬品のターゲットとして注目されていた。
オピオイドδ受容体体作動薬「NC-2800」は、日本ケミファも参画しているAMEDの産学連携医療イノベーション創出プログラムから見出された薬剤。2018年3月までの同プログラム期間中における非臨床試験終了を目指し、現在開発が続けられている。
患者のため、画期的新薬の開発を目指す
今回のCiCLEへの採択は、新たな作用機序に基づく情動調節薬としての期待や、既存の抗うつ・抗不安薬の抱える問題を克服しうる可能性などが、「NC-2800」に認められたため。支援期間は、2018年3月から2027年2月までの9年間となっている。
日本ケミファは今後も、未だ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者のため、これからも画期的新薬の開発を目指すとしている。
(画像は日本ケミファの公式ホームページより)

抗うつ・抗不安候補薬「NC-2800」のCiCLE採択に関するお知らせ - 日本ケミファ株式会社
http://www.chemiphar.co.jp/