そう痒症改善剤で3SBioと独占的ライセンス契約締結
東レ株式会社は1月15日、中国遼寧省に本社を置く3SBio Inc.(三生制葯)の100%子会社Hongkong Sansheng Medical Limited(香港三生醫藥有限公司)と、そう痒症改善剤「TRK-820」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)口腔内崩壊錠(OD錠)に関する独占的ライセンス契約を締結した、と発表した。
Hongkong Sansheng Medical Limitedは、同契約により、香港、マカオ、台湾を除く中国本土で「TRK-820」を独占的に開発及び販売する権利を取得し、その対価として東レに、契約一時金と開発の進捗に応じたマイルストンを支払う。
TRK-820は透析患者のそう痒症改善剤
血液透析患者のそう痒症は、一般的な痒みの原因物質であるヒスタミンの関与が少なく、炎症などを伴わない全身性の強い痒みであるため、従来の痒みに対する治療薬抗ヒスタミン薬などでは十分な効果が得られない場合がある。
中国では、末期腎臓病の患者数が年率12%前後で増大しているといわれており、患者の痒みに対して、これまで有効な治療法がなかった。
TRK-820は、既存治療で効果不十分な場合に限り、血液透析患者のそう痒症の改善剤として、東レが製造し、鳥居薬品株式会社が販売元、日本たばこ産業株式会社と提携し、「レミッチカプセル2.5μg」を日本で2009年より開始した。
2017年5月新剤形として、口腔内崩壊錠(OD錠)の「レミッチOD錠2.5μg」を販売開始した。OD錠は、水あり・水なし、どちらの服用も可能である。
東レと3SBioは、今回の契約により、中国における透析医療の発展に貢献できることを期待しているという。
(画像は東レ株式会社のHPより)

東レ株式会社のプレスリリース
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