「dasotraline」主要評価項目達成
大日本住友製薬株式会社の米子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下、サノビオン社)が、2016年9月20日(米国東部時間)、開発中の注意欠如・多動症(以下、ADHD)治療剤「dasotraline」(以下、本剤)について、6歳から12歳の小児のADHD患者を対象としたフェーズ2/3試験(SEP360-202試験、以下、本試験)において、4mg/日投与群で主要評価項目を達成したと発表した。
さらなる臨床試験へ
本試験は、6歳から12歳のADHD患者342例を対象に本剤2mg/日、本剤4mg/日の有効性および安全性を検討した6週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ2/3試験。
主要評価項目は、投与6週間後のADHD Rating Scale-IV Home Version(ADHD RS-IV HV)総スコアのベースラインからの変化量。
本試験の結果、本剤4mg/日投与群は、プラセボに対して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、本剤2mg/日投与群では、プラセボに対して統計学的に有意な改善は示されなかった。
また、本剤は忍容性も概ね良好で、主な有害事象(発現率5%以上かつプラセボ投与群より多く発現したもの)は、不眠、食欲減退および体重減少であり、本剤投与群の有害事象による中止割合は9.3%だった。
日本での臨床につながるか
日本では患者数に関する正確なデータは取られていないが、米国では、4歳から17歳の小児のうち約11%がADHDと診断されており、18歳から44歳の成人でも、4.4%はADHDによる症状や障害を患っている。
本剤は、サノビオン社の自社開発品であり、ドパミンおよびノルエピネフリンの再取り込みを阻害する新規のDNRIである。半減期は47時間から77時間と長く、24時間の投与間隔で持続的な治療効果が得られることが期待されている。

大日本住友製薬株式会社ニュースリリース
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