非小細胞肺がんに対する治療薬としてEU初承認
2016年9月14日、ファイザー社の開発したザーコリ(R)は、ROS1陽性進行非小細胞肺がんの成人患者に対する治療薬として追加承認された。
かねてよりEUにおいてザーコリは、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性進行非小細胞肺がんの治療薬として承認されていたが、今年3月、米国の食品医薬品局によって、ROS1陽性の転移性非小細胞肺がんの治療薬としても適応追加承認されることとなった。
米国及びEUにおいてALK陽性またはROS1陽性の進行非小細胞肺がんの治療薬として認められたのは、今回のザーコリが初めてであり、非小細胞肺がんに有効な治療手段としてさらなる医学の発展への足がかりとなることが期待されている。
非小細胞肺がんとは
肺がんはがんによる死亡原因の第1位であり、がん細胞の形態によって、小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分けられるが、非小細胞肺がんは化学療法や放射線治療の効果が低いことが知られている。
さらに、非小細胞肺がんは単一の疾患ではなく、複数の腫瘍タイプから構成され、それぞれ治療法や症状が異なる為、その種類に合わせた治療が必要となる。
非小細胞肺がん患者の57%は転移もしくは進行後に診断されるがその時点で5年生存率はわずか5%であるなど、治療が困難な病のひとつである。
ザーコリは既にALK陽性進行非小細胞肺がんの1次治療薬として世界中で25000人もの患者の治療に役立ってきた実績を持つが、今回の承認によって、進行非小細胞肺がんの独立した標的分子であるROS1とALKの両方に効果があると認められたこととなる。

ファイザー株式会社ホームページ
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