骨転移の原因が判明
東京農工大学(以下、東京農工大)は9月7日、骨転移性前立腺がんの治療につながる新薬候補を発見したことを発表した。
発見したのは東京農工大の大学院工学研究院生命機能科学部門・グローバルイノベーション研究院と大鵬薬品工業株式会社、英国オックスフォード大学といった産学協同、国際研究チームだ。
画期的な新規治療薬へ期待
研究チームはがんの大きな問題となっている転移について研究しており、中でも特に骨転移に注目し、今回前立腺がんの骨破壊の原因となっている破骨細胞の分化は、Met、VEGFR2、FMSの3つのチロシンキナーゼ受容体が大きく関わっていることを発見した。
また、前立腺がんは骨組織と接着すると破骨細胞の分化を促進させることが判明した。
マウスを使った実験ではMet、VEGFR2、FMSを阻害する薬(TAS-115)を投与したところ、前立腺がんは増殖せず、また破骨細胞の分化と骨破壊を抑制することが確認できたとしている。
研究チームはこのことから、骨転移性のがんに対する画期的な治療につながるとして、新薬開発が期待できるとしている。
また、前立腺がんだけではなく、骨転移が多いとされている乳がんや肺がん、悪性黒色腫にも新薬の開発が必須としている。
(画像はプレスリリースより)

東京農工大学 プレスリリース
http://www.tuat.ac.jp/