4年の開発期間を経て申請
CSLベーリング株式会社は2016年8月25日のニュースリリースで、静注用人プロトロンビン複合体製剤(BE1116)の製造販売承認申請を実施したと発表した。
BE1116は、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会」の第2回開発要望募集(2011年)において、日本脳卒中学会から「欧米等において標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等をふまえても国内における有用性が期待できると考えられる」製剤として、早期開発の要望が提出された経緯がある。
CSLベーリングは2012年4月より、厚生労働省からBE1116製剤の開発要請を受けて国内での開発を開始し、今回の申請に至ったとコメントしている。
速やかな出血傾向の是正に期待
BE1116には肝臓で合成する血液凝固因子を高濃度に含み、またビタミンK依存性の凝固阻害因子であるプロテインC及びプロテインSも含まれているため、ビタミンK拮抗薬の投与により減少した血液凝固因子を簡便かつ速やかに補充することが可能であり、出血リスクの高い、過度に亢進した抗凝固状態を是正することができる。
血栓塞栓症の治療や予防のためにワルファリンなどのビタミンK拮抗薬の投与を受けている患者は抗凝固状態にあり、出血時もしくは出血が予測される際には止血の管理が極めて重要になるため、必要な血液凝固因子を補充することで出血傾向を速やかに是正することができるBE1116の有用性が期待できる。
2016年7月1日現在、BE1116製剤は欧州諸国、米国を含む42の国と地域が承認している。

ニュースリリース
http://www.cslbehring.co.jp/s1/cs/jpjp/1154051148566/news/1252903122085/prdetail.htmCSLベーリング株式会社
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