糖尿病の研究や創薬で利用されることを期待
タカラバイオ株式会社は、8月24日、ヒトiPS細胞から作製した研究用膵臓細胞(膵β細胞)「Cellartis hiPS Beta Cells (from ChiPSC12) Kit」を、全世界で販売開始した。
同社は同製品が、糖尿病の研究分野や、糖尿病治療薬の創薬分野において利用されることを期待している。
安定供給が望まれていた膵臓細胞
膵臓細胞は、膵臓の膵島細胞に存在する細胞。血糖値に応じて、インスリンを血中に分泌する働きを持つ。膵β細胞の働きが弱くなりインスリンの分泌量が減ると、糖尿病につながることが知られている。
研究用のヒト膵臓細胞は入手が難しく、以前から安定供給が望まれていた。タカラバイオは、ヒトiPS細胞由来膵β細胞の製品化を推進し、均質な性能の膵臓細胞を安定供給することを可能化。今回の「Cellartis hiPS Beta Cells Kit」発売に至った。
iPS細胞由来の細胞製品ラインナップを拡充
iPS細胞は、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することなどにより、分化多能性が誘導された細胞。2006年に京都大学・山中伸弥教授らのグループによりこの現象が発見され、人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells)と名付けられた。ES細胞とほぼ同等の分化多能性を示すため、薬剤開発や再生医療への応用が期待されている。
タカラバイオは、同製品発売によりヒトiPS細胞由来の細胞製品のラインナップを拡充し、さらなる業績拡大を目指すとしている。

ヒトiPS細胞由来の研究用膵臓細胞(膵β細胞)の販売を開始 - タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=3484