目の健康意識、社会全体で高める取り組みを
バイエル薬品は2日、今年6月に行った目の健康に対する調査報告をまとめ公開した。
調査対象となったのは、全国の男女のうち、50~70代(本人世代)の1,000名と、20~40代(下の世代)で自身または配偶者の50代以上の親や祖父母と同居または年1回以上顔を合わせている1,000名の計2,000名。
インターネットにより、健康的な老後のための目の健康に対する取り組みや、中途失明の大きな原因の1つである加齢黄斑変性に対する認知の現状についての調査を実施した。
視覚障害は、高齢者にとって転倒事故から要介護につながるリスクなどもあり、健康寿命を妨げる要因となることが考えられる。
2015年6月の厚生労働省の調査では、高齢者世帯が全世帯の4分の1を超え、今後も高齢者の増加は続くと見込まれている。増え続ける高齢者のより多くが健康寿命を全うするために、社会全体が目の健康意識を高め具体的な取り組みを進めていくことが必要であるという観点から、20~70代の幅広い世代を対象に調査が行われた。
「目が悪くなった」などの認識に世代間でギャップ
健康寿命を全うする上で気にかかる点をたずねた質問に対して、本人世代では脳卒中や認知症などの脳の病気、心臓・血圧などの循環器系疾患、がんと答えた人はそれぞれ40%に満たなかったのに対して、「目の病気」と答えた人は44.1%で1位。50~70代にとって最も気になるのが目の健康であるという結果が出た。
ところが、同じ本人世代の目の健康に関する意識を見ると、78.0%が「以前よりも目が悪くなった・見えにくくなった」と自覚していながら「目の健康のためにしていること」は、「特にない」が1位で29.2%。「気になる症状があったらすぐに眼科に行く」「定期的に眼科で検査を受けている」と答えた人はそれぞれ3割に満たない。
一方で下の世代(子や孫の世代)に対する「親や祖父母の目の状態が悪化していると思うか」との質問に対して「そう思う」「ややそう思う」と答えた人は全体の49.1%。本人世代の8割近くが目の状態の悪化を自覚している中で、子や孫の世代には実態があまり伝わっていないということがわかる。
さらに加齢黄斑変性の認知率についても、50~70代は75.5%、2~40代48.3%と世代間のギャップが顕著に現れた。
「ずっと見ていたい・見せてあげたい」の実現目指す
「ずっと見ていたい・見せてあげたい」特別なものの有無を聞いたところ、本人世代がこれからも「ずっと見ていたいもの」、下の世代が本人世代に「ずっと見せてあげたいもの」について合計で60.2%が「はい」と答えた。
回答例として上げられたのは、孫や子どもの成長、家族の笑顔、旅先や故郷の風景など。「見えることは喜びにつながる」「たくさんあり過ぎる」などの声も寄せられたという。
バイエル薬品は、こうした「ずっと見ていたい」という願いや「ずっと見せてあげたい」という思いの実現を目指し、加齢黄斑変性の認知度向上と目の健康のための具体的な取り組みを推進していく考えだ。
(画像はプレスリリースより)

バイエル薬品プレスリリース
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