がん抗原であるNY-ESO-1抗原がターゲット
タカラバイオ株式会社は、8月8日、NY-ESO-1・siTCR遺伝子治療のカナダにおける臨床試験を開始したと発表した。
NY-ESO-1・TCR遺伝子治療は、がん抗原であるNY-ESO-1抗原をターゲットにした治療。
Princess Margaretと共同研究
タカラバイオは、siTCR遺伝子治療技術を用いたがん治療薬の実用化を目指し、Princess Margaret Cancer Centre(以下「Princess Margaret」)の平野直人上級主席研究員・がん免疫療法部門副部門長らと2012年より共同研究を進めている。
今回、Princess MargaretによるTCR遺伝子治療(NY-ESO-1・siTCR遺伝子治療)の第1b相臨床試験の実施にあたり同社は、カナダ保健省よりNo Objection Letterを受領。これを受け、Princess Margaretでの研究倫理委員会における確認後に、固形がんを対象としたsiTCR遺伝子治療を開始すると同社はしている。
2020年度の国内商業化を目指す
なおPrincess Margaretが実施する臨床試験では、タカラバイオが開発したレトロネクチン法やレトロネクチン拡大培養法、また三重大学の珠玖洋教授らと共同開発したTCR遺伝子導入用レトロウイルスベクター(siTCRベクター)が使用される。
タカラバイオは、滑膜肉腫を対象としたTCR遺伝子治療の第1/2相臨床試験を、本年度中に国内で開始する予定。国内およびカナダにおける臨床試験で安全性や有効性のデータを取得した後、2020年度の国内商業化を目指すとしている。

NY-ESO-1・siTCR遺伝子治療のカナダにおける臨床試験開始のお知らせ - タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=3446