アレルギー性鼻炎治療剤に新たな選択肢
久光製薬株式会社(以下、久光)は、2016年7月25日、経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤(開発コード:HP-3060、一般名:エメダスチンフマル酸塩、以下、テープ剤)の国内第3相比較臨床試験結果を発表した。
エメダスチンフマル酸塩は、第2世代の抗ヒスタミン薬で、広くアレルギー性疾患治療に使用されている。
今年度中の申請を目指す
今回の臨床試験では、久光の、TDDS(Transdermal Drug Delivery System:経皮薬物送達システム)技術を採用し開発した全身性のテープ剤とプラセボ剤、およびすでに製品化されている、エメダスチンフマル酸塩の経口剤とを比較し、テープ剤を1日1回投与した際の有効性と安全性について検討した。
その結果、有効性の主要評価項目でテープ剤の有効性が確認され、また、安定性に関して重篤な有害事象は認められなかった。
久光は、この結果を受け、平成28年度中に製造販売承認申請を行う予定としている。
早期製品化に期待
今回の発表では、臨床試験結果の具体的なデータは示されていないが、エメダスチンフマル酸塩の経口剤の主な副作用には眠気や倦怠感があり、今回のテープ剤でも同様の症状が出るのか気になるところである。
しかし、テープ剤にすることで、安定した血中薬物濃度を維持し、効果を安定させることができることから、製品化されれば、年々増え続けているアレルギー性鼻炎患者への新たな治療剤の選択肢となることが期待される。

久光製薬株式会社ニュースリリース
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