慢性腎臓病に伴う貧血の適応症で開発
アステラス製薬株式会社は、7月26日、慢性腎臓病患者を対象とした「ロキサデュスタット」の第3相試験を開始したと発表した。
「ロキサデュスタット」は、アステラス製薬が日本における開発および販売権を米国FibroGen社より取得し、慢性腎臓病に伴う貧血の適応症で開発を進めている薬剤。
根治的治療法は存在しない慢性腎臓病
慢性腎臓病は、年齢を問わずに発症するが、年齢が高くなるほど罹患率が増加する疾患。一般的な合併症は貧血であり、透析を受けている場合でも受けていない場合でも、顕著な有病率と死亡率が認められている。現在のところ、腎臓移植以外の根治的治療法は存在しない。
「ロキサデュスタット」は、経口投与型の低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素阻害剤。HIFはたんぱく質転写因子であり、低酸素の状態に向かう自然な生理学的反応を誘導して、赤血球生成(赤血球が生成されるプロセス)やその他の防除経路をいわば「最適化」する。日本における保存期および透析期の慢性腎臓病患者を対象とした第2相試験において同剤は、良好な結果が得られている。
アステラス製薬とFibroGen社が共同で開発
アステラス製薬とFibroGen社は、日本・欧州・独立国家共同体・中東・南アフリカにおける 慢性腎臓病患者の貧血を対象とした同剤の開発を、共同で行っている。
なお今回の日本における第3相試験開始に伴いアステラス製薬は、1000万ドルをFibroGen社に対して支払ったという。

日本における慢性腎臓病患者を対象としたロキサデュスタットの第3相試験開始のお知らせ - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/jp/corporate/news/