老化を抑えるNMN
慶応義塾大学医学部(以下慶応大学)は、7月11日に米国ワシントン大学医学部と行っている共同で、老化を抑えるとして期待されている Nicotinamide mononucleotide (ニコチンアミド・モノヌクレオチド、以下NMN) の臨床研究を行うと発表した。
2015年にスタートしたこの共同研究で、人が本来持っているNicotinamide Adenine Dinucleotide(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド、以下NAD)が加齢によって減少し、糖尿病などの疾病の原因となることがわかってきた。
世界初の臨床試験へ
NADは老化や長寿に関わる酵素で、NMNはこのNADを活性化させる。すでにNMNを動物で使用した行った試験の結果では、加齢によって引き起こされる疾病が抑えられることが判明していたが、人体に与える影響についてはわかっておらず、今回の臨床試験は世界初の試みとなる。
具体的には40歳~60歳以下の健康な男性に異なる量のNMNを投与して、その結果から安全性やその効果が確認されれば、今後は加齢が原因とされる疾病の治療や予防など更なる研究への足がかりになるとしている。また、慶応大学は医薬品開発のための治験ではなく学術知見を得るための研究としてる。

慶応大学医学部 ニュースリリース
https://www.keio.ac.jp/