「フィブラストスプレー」の有効成分
科研製薬株式会社と和光純薬工業株式会社は、6月27日、再生医療研究用試薬「bFGF溶液,MF」を発売すると発表した。
同試薬は、科研製薬が製造販売している褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「フィブラストスプレー」の有効成分である組換え型ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)を、再生医療研究用試薬として和光純薬工業が販売するもの。
再生医療研究で広く使用されているbFGF
bFGF(basic fibroblast growth factor)は、生体内に存在し、細胞の増殖や分化の調節を行っているタンパク質の一種。皮膚・血管・骨・軟骨といった様々な組織の形成に強く関与している細胞成長因子の1つであり、種々の細胞の増殖作用及び血管新生作用を持つ。
ヒトES/iPS細胞の培養では、未分化性を維持させながら細胞を増殖させる必要がある。bFGFはこのために必須とされ、培地に添加して使用されている。また、ヒトES/iPS細胞を分化誘導するためにもbFGFは必要とされており、再生医療研究で広く使用されている。
再生医療研究の発展に寄与
科研製薬は、遺伝子組換え技術により製造したヒトbFGFを用いた医療用医薬品として、2001 年6月より「フィブラストスプレー」発売している。今回の「bFGF溶液,MF」発売については、科研製薬と販売契約を締結した和光純薬工業側が行う。
科研製薬は、同試薬の販売を契機に、再生医療研究の発展に寄与することを期待しているという。

和光純薬工業株式会社による「bFGF溶液,MF」の発売について - 科研製薬株式会社
http://www.kaken.co.jp/nr/release/nr20160627.html