新薬候補物質「ATC-1906」開発
武田薬品工業株式会社とAltos Therapeutics LLC(以下「Altos社」)は、7月4日、胃不全麻痺治療薬の開発に関する提携契約を締結したと発表した。
同契約は、Altos社の有する新薬候補物質「ATC-1906」開発に関するもの。武田薬品は、契約日より「ATC-1906」臨床第1相試験終了後の一定期間終了まで、Altos社を買収する独占的オプション権を有することとなる。
患者の嘔気・嘔吐症状を軽減
胃不全麻痺は、胃排出遅延を特徴とした慢性的な胃運動障害。早期満腹感や食後膨満感、嘔気や嘔吐、腹部不快感といった症状を伴う。糖尿病性の胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺には、大きなアンメットメディカルニーズが存在するのが現状だ。
胃不全麻痺の患者においては、ドパミン受容体が活性化されると嘔吐反応が促進される。Altos社は、同社唯一の新薬候補物質である「ATC-1906」を、胃不全麻痺における嘔気・嘔吐症状に対する経口ドパミンD2/D3受容体拮抗薬として開発。患者の嘔気・嘔吐症状を、より高い安全性をもって軽減するとしている。
買収オプション権に対する一時金を支払う
今回締結された契約に基づき武田薬品は、Altos社買収オプション権に対する一時金をAltos社に支払う。武田薬品がオプション権の行使を選択した場合、武田薬品は買収のための追加の支払いを行い、「ATC-1906」の開発・販売権を獲得することになる。
なお武田薬品が「ATC-1906」の開発・販売権を獲得した場合、Altos社は開発および販売マイルストンを受領する権利を有することになる。

武田薬品とAltos Therapeuticsによる胃不全麻痺治療薬の開発に関する提携について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016/